道具から文化は生まれるか
液状の料理を舐めるための道具を考えた。形はスプーンの凹んだところをそのまま膨らませた形がいいと思った。
カトラリーの始まりは食べ物を口に運びやすくしたい。というニーズにあると思う。豆や米の小さな食材摘んだり、魚の身をほぐしながら食べたいから箸があり、肉の塊をそのまま口に運びたいからフォークがあり、液体のスープを小分けに飲みたいからスプーンがある。このように、食べ物の存在が道具を作ってきた。
それでは道具の存在が食べ物を作り出すことはあるのだろうか。
食べる行為の中に「舐める」があるが、私が知る料理の中で「舐める」ことが主体のものはない。だから舐めるための道具というのは存在しない。ここであえて「舐めるための道具」を作ることで新たな料理が考え出されると面白いと考えた。
舐める道具と共に、ビスケットを砕いてハチミツにつけて食べるというレシピを考えた。いつか料理人などと協力し、複数の新しい料理と共に発表したい。
Photo by Eguchi Kairi